安田城跡ー(富山市婦中町安田字殿町割)

私は安田城跡については知らなかったのですが、この夏に富山の友人に誘われて釣りに行ったことがきっかけで知りました。
この城は、呉羽山丘陵東南麓、井田川左岸の扇状地に立地する戦国時代の平城で、堀を含めた規模は東西約150m、南北約240mで、約34、000㎡の広さです。
天正13年(1585)年、全国統一を目指す豊臣秀吉が越中の佐々成正を征討するために出陣した富山の役の際に、秀吉の本陣になったとされる白鳥城の支城として前田利家によって築かれ、前田家武将の岡嶋一吉が居城後、代官の平野三郎左衛門が居城しましたが、慶長年間に廃城となりました。
本丸、二の丸、右郭(みぎくるわ)の周りには、近くを流れる井田川の水を引き入れた堀を巡らされています。
江戸時代後期にはある程度姿をとどめていましたが、近代に入ると堀は埋められて一帯は田畑として使用されいていましたが、昭和40年代末に圃場整備計画が持ち上がった事により一時焼失の危機に立たされたが、昭和52(1977)年に二回の発掘調査が行われ、国の史跡に指定された。
平成2年(1990)年から整備事業が行われ、現在は土塁、水濠が復元され、資料館が併設されています。
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                安田城 パンフレットより


城址に隣接する資料館には出土品や安田城に関する資料が展示されていました、出土品の約9割がかわらけで占められ、油を燃やして灯りをとる燈明皿として用いられた物が多くあります、その他陶磁器のかけら、銅銭や鉄製の道具や砥石が出土したようです。
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                    安田城 パンフレットより


白鳥城の出土品も展示されていました。
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資料館2Fより城跡を望む、水濠には一面の水草が茂って、水面は見えません、平地にある平城は開発によって後世に姿をとどめるものは少ないのですが、この城のように保存状態が良く全体像が分かる平城は全国的にも少なく貴重な事例です。(本丸北東角が井田川の堤防工事によって少し失われている)
本丸は高さ2.4m、二の丸は高さ1.5mの土塁がめぐらされていますが、右郭は土塁が盛られておらず、水濠に囲まれた平地の郭であります。
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タイルで造られている安田城跡の屋外模型に、写真の撮影場所をアルファベットで記してあります、クリックして拡大してご覧ください。
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Ⓐより右郭の方向を撮影、右郭への入り口。
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Ⓑ地点、右郭への土橋上より右手の水濠を望む。
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Ⓒ地点、右郭より二の丸を望む。
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Ⓓ地点、右郭と二の丸を結ぶ土橋の上から水濠越に本丸方向を望む。
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Ⓔ地点より二の丸の内部を写す、二の丸は高さ約1.5mの土塁で囲まれている。
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Ⓕ地点、二の丸より本丸を望む、本丸の入り口は土塁が切れている、本丸の虎口にあたる所ですが、ここに門があったのでは?。
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Ⓖ地点、二の丸と本丸をつなぐ土橋(上に木製の橋が掛かっている)上より本丸の入り口を望む。
本丸を囲む土塁は高さ2.4mで巾が上部では約10m、基底部で約14mもある堅固が土塁である事がこの写真でわかります。
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Ⓗ地点、本丸の土塁上より本丸の対角を望む、背景の呉羽山の高台には白鳥城址の位置が分かります。
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Ⓘ地点、本丸土塁上より外堀を望む。
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Ⓙ地点、本丸土塁上より入口方向を望む、本丸の広さは東西約90m、南北約80mの面積です。
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Ⓚ地点、本丸土塁上より入口方向を望む。、
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Ⓛ;地点、本丸土塁上より対辺の土塁展示館の入り口を望む。
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土塁展示館内部、土塁の断面を見ることが出来ました、粘土層や礫まじりの砂や粘土で築かれた土塁の断面が監察出来ました。
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Ⓜ地点、本丸土塁上より水濠越に右郭方向を望む、
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Ⓝ地点、本丸土塁上より二の丸を望む。
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資料館で入手したパンフレットの「安田城址をはじめとする新たな戦国史研究」と題する研究成果が載っていました、それによりますと従来は天正13年に前田利家によって築かれた事になっていますが、安田城の縄張り図を見ると、四角い本丸と曲線基調の二の丸、右郭によって構成されていますが、軸線のずれや、本丸を囲む水濠によって一部が削られた右郭の形状から、当初は二の丸、右郭の二郭から成っていたものに本丸が追加造成されたものと考えられる。
この地方には文献上には見えるものの、いまだに所在が確認されていない安城がその前身とする説もありす。
このことから、天正13年より前に2郭構造の在地武将の城が存在し、それを前田利家が四角の本丸を付け加えて改造したことが考えられます。
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            安田城址歴史の広場 パンフレットより


安田城は古い2郭構造の城に、ほぼ正方形の堅固な本丸部分を追加したことが有力な説です、改造前は長方形の2郭構造の城でした、方形郭を用いた構造の城は、当時秀吉が最新の城郭として建設中であった京都の聚楽第(じゅらくだい)が典型的な物でした、本丸の虎口の前に方形の馬出郭(うまだしくるわ)を置き、虎口を守る役目としました、このような形態の城を「聚楽第型城郭」と呼び、富山では富山城、高岡城に採用、発展しました。
安田城は最新の築城の知識を持った前田利家のよって築城、改修された城であり、そこには聚楽第型の構造が反映されていることが見てとれます。
富山では最も早く採用された聚楽第型城郭といえます。



地上部分の建物などの構造物はありませんが、中世の平城の城郭がほぼ完全に復元されており、実際に足を運んだ価値が有りました、このような歴史に興味がある方には一見の価値が有ります。

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                      安田城跡パンフレットより

安田城址は積雪期を除き、各種イベントにも利用されているようです、最も盛大に行われる「月見の宴」が8月27日に開催されるので資料館にパンフレットが有りました。
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長い記事を最後までお読みいただいて有難うございます。
                          


記事を書くにあたり、安田城跡資料館のパンフレットやウィキぺディア等の文献を参照させて頂きました。


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